2013年9月26日木曜日

成長する力は種の中にある

9月22日に、第3回YMCA米子作業療法学術集会に参加しました。

特別講演、一般演題ともに、発表される作業療法士の方がどの方も素敵で、とても良い刺激を受けました!!



その中でも、今回は福島県から来られた齋藤佑樹先生(侍OTさん)のクライエント中心の作業に焦点を当てた実践についての講演をお聴きし、自分なりに感じたことを綴ろうと思います。


私は作業療法の理論や「作業とは…」という大事なところをちゃんと理解できていないダメ人間です…(><)


そんな私でも、齋藤先生の可愛い娘さんとの入浴やお弁当作りなどの大切な作業を分かりやすく説明してくださり、「作業ができるとは…」ということが前より少し分かった気がします!!(まだ自信がなくてすみません…)


「人・作業・環境」
人は作業を通して環境と結びついている…だから、作業が出来る事って大事なんだ♪


「食事」という作業ひとつとっても、人それぞれ大切にしている作業の内容はちがう。


もし病気によって、食事ができなくなり、リハビリをすることになった場合…


食事=箸の操作・お椀をもつこと・食べ物を適量すくったり、つまんだりしながら口に運ぶこと…このようなことができるようにするのがリハビリって思っていたけど、これらができるようになったからといって、「食事」という作業は私や母にとって達成されたことにはならない。


私にとって食事とは、家族みんなで(誰と)一緒に(いつ)母の美味しい手料理を家で食べる事(どのように・どこで)


母にとって食事とは、なぜ大切なのか私と少し似ている部分もあるけど、「出来立てほやほやで食べてもらうこと」「家族が食事により心も体も元気になってほしい」「美味しいと言ってもらえたら嬉しい」「好きな器を使って、味だけでなく見た目も美味しい食事を楽しみたい」など、ただ単に食べる側としての楽しみでなく、家族のために食事という作業を通して母親としての役割を担っている視点も入っているのかな。


あまり自分の考えがまとまっていなくて、すみません(><)


作業は人それぞれ違う…と頭ではわかっていながら、時間がないことなどを言い訳に利用者さんやご家族さんからしっかりと話を聴いていない自分がいるな…と改めて感じました…。


その反省をもとに、今日は釣りをすることが大切な作業である入所男性に話を聞いてみました。
釣りをするのは病気をして以来何年ぶり。来月施設近くの漁港で4人程で釣りをしにいくことに!
私は当初、「この方が何年かぶりに釣りをすることができるんだ!!嬉しいな!!」と漠然と思っていました。
しかし、改めてその方にどこでどのように誰といつ釣りがしたいのかを聴きました。
すると「境港の岸壁でまだ薄暗い朝方から釣っていた。何人かでいくよりは、一人でお弁当を買っていって、のんびり寒い時期に釣るのが好きだった。寒い時期の方が色んな魚が釣れて面白い。」と話されました。
そして、施設近くの漁港で来月に釣りにいくのはやっぱり本当の意味で釣りをしたことにはならないと言われました。しかし、久しぶりに漁港で釣りができるのは嬉しいので、右手が使えないけど、ぜひ参加してみたいと言われました。


今回を機に、具体的に話を聞く事ってやっぱり大事だと実感しました!!
自己満足のリハビリにならないように…施設の環境なりにご本人にとって意味ある作業に焦点を当てていけれるように(><)


なぜその人にとってその作業が大事なのかを理解しようと寄り添い、利用者さん自ら主体的にその作業へ参加できるように支えていけれる作業療法士になりたい!と思いました。


タイトルに挙げている「成長する力は種の中にある」という言葉は齋藤先生の講演の中でとっても心に響き、大好きになった言葉です。


しあわせのたね


作業療法がもっと好きになりました。


作業療法をちゃんとやって、作業療法を楽しんで、しっかりと効果を出していきたい。


幸せの種を蒔いて、いつか芽がでて、利用者さんが主体的に大切な作業で紡ぐキラキラした日々を過ごすことができる…そんな素敵な花が咲くことを信じて♪














2013年9月1日日曜日

初めての手紙

私は鳥取県の老人保健施設に勤務している5年目の作業療法士(OT)です。



就職したての頃は、自分に自信がなく、その人にとって大切な作業が実現できるように関わっていきたい!という想いはあったのですが、中々それが出来ずに、辛く苦しんでいました。


しかし、色んな方との出逢いがあり、「作業療法をして作業療法士になっていく」という言葉を胸に、ADOCを使っていく中で、少しずつ変わっていき、今では「作業療法って楽しい!」と心から思える自分がいます。


いつかは尊敬する大好きな琉球OTさん、侍OTさん、ちびっこOTさん、MeganeOTさん、鳥人OTさん、ADOC OTさん達のようにBlogをこっそり始めたいな♪っと思っていました。
「自分なんかがBlogを書いてもいいのだろうか…」と思っていたところ、ポンッと背中を押してくださり、一歩踏み出しました。







一昨日、みんなのリハプランでアップした「ポンポン作り」「片手でマフラー作りの片麻痺のデイケア利用者様から手紙をいただきました。


「息子にみんなのリハプランをみてもらい、文面も良く分かるようにしてあるし、おふくろは良い先生に逢えて幸せ者だといってくれました。今は毎日がマフラー作りで頭がいっぱいで楽しいです。口で言っても良いですが、涙が先に出て話も出来ませんので、昼休みに走り書きにて御免なさい。家で書くともっと上手に書けますけど(ウヌボレ)。今後とも宜しくお願いいたします。」

と書いてありました。


老健に勤めて、初めて利用者さんからいただいた手紙。


みんなのリハプランをご家族に紹介し、息子さんから褒められ、更に大切な意味のある作業であるマフラー作りを生活の中で楽しんでおられる利用者さん。

左片麻痺になり13年間ずっと大好きだったマフラー作りが出来ていなかった方。
脳梗塞になる前まで編んでいた、編みかけのマフラーを見させていただいたときは、何とも言えない気持ちになりました。



13年間の時が止まったマフラー 


ポンポン&マフラー作りを通して、今まで交流がなかったデイケア内での手芸仲間も増え、大好きなひ孫さんにプレゼントする楽しみ、夫が大切に着ていたセーターをほどいて作る素敵なマフラー。

完成したマフラーを担当ケアマネージャーや担当看護師に嬉しそうにみせる姿は、以前と違ってキラキラ輝いていました。

また、県外のOTさんから、みんなのリハプランの片手でできる手芸をみて、実際変わってきている利用者さんがいる!という報告を受けた事をお伝えすると、「誰かの役に立って嬉しい!!」と喜びも感じておられます。



片手で13年ぶりに編んだマフラー

この方と関わっていくうちに、大切な作業の種はいつか芽となり、素敵な花が咲く♪ということを学びました。

これからも少しずつ、一歩一歩成長していきたいと思います。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました。